【感想】データ・ドリブン社会の創発と戦略(安宅和人) 第14回目講義(最終回) 慶應義塾大学 

本日は、慶應義塾大学の安宅先生の
『データ・ドリブン社会の創発と戦略』の第14(最終回)回目の振り返りになります。

 

第14回(最終回)のリンクはこちら。↓
データとAI がもたらす未来

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本講義における気づき

1)なぜ変革期と言えるのか?
2020年の段階で、様々な事例が出てきており、日々アップデートしている。AIを使い倒す必要があると改めて痛感。

ボードゲーム最後の砦、囲碁の王者をAlphaGoが打ち負かす。人類の敗北の瞬間。
時価総額ランキングが10年で様変わりしている。(石油会社、自動車会社などが上位を占めていた状況から、情報を扱うGAFAMを始めとする企業が上位を独占。)
・顔画像だけで双子まで明確に判別する
・一筆見ただけで贋作を見破る
・レアな遺伝病を顔写真だけから診断する
・動画から読唇する(口の動きで話している内容がわかる)
・歩き方だけからその人が誰かや認知症が判別可能に
・機械が壊れることを、1ヶ月以上前に予測。センシングデータから、人間の目にはわからない異常波形を選別。
・人間レベルの翻訳を瞬時に行う
・線画を着色する
・モノクロ写真に色を付ける
などなど

2)外国語をやる

「AIが発展していけば、外国語は不要なんじゃないか?」という問いに対して、明確に理由を言語化して、自分の中で整理しないと行けないなと感じた。


ちなみに、日本人は、西洋的な言語を一つは身につけるべきだというのが安宅先生の見解。

理由1)日本語も西洋由来のものが多く、深く理解するためには、西洋語の理解はしておくべき。
理由2)異質な文化は翻訳しにくい部分があり、文化を学んでいる側面があるから。
例えば、自然とnatureは、似ているが違う概念。



3)データとAI
変質の本質は、「AI」というより「データ × AI」。
(上記は、安宅先生のスライドの言葉であるが、「〇〇というよりもXX」というカタチで表現すると、何と比較して、何を表現しようとして言うのかわかりやすい)

「データ × AI」とは、
速い計算環境に、情報処理したりパターン学習したりするためのアルゴリズムを実装し、最終目標のアウトプットが出るように訓練を与えたもの、という意味合い。
この訓練には、大量のデータが必要なので、AIとデータは表裏一体である。


4)安宅先生の口癖

前回にも書いたが、「…というのが僕の見解なんですが。」という口癖が見られた回だった(これからの未来を語る回の講義だったので)。
例えば、以下のような使い方。
「ここ30年、日本社会が停滞していたのは、犬の道信者が多かったことが要因の一つだというのが僕の見解なんですが」

学生に自分なりの見方を作って欲しいという意識の現れな気だと思う。

 

5)安宅先生の質疑応答
各回の講義の最後に学生に対して、アンケート・質問の収集を行っており、次回の講義の際に、ピックアップクエスチョンとして、安宅先生がアンケートや質問にコメントしている。
それを見ていくうちに、安宅先生ならこの質問に対してどう答えるかを、ある程度予測できるようになった。安宅先生の考えの一部でもトレースできるようになったのは、自分にとっても大きな成長になったと思う。


6)AIのボトルネック
現在のAIは、意味を理解しているわけではなく、意志を持たない。
また、意味理解を伴う知覚はできず、前例がないことに対して判断できない。

仕事の多くは、ゴール設定から始まり、現状理解・課題の見極め、打ち手の設定など、課題を複合的に解決するものである。

そういった中で、まだまだこれからも人間に求められることは、「見立てて決めて伝える力」である。
そこで、重要になるのが、本講義で何度も繰り返されている「イシューを見極める」ことであり、それは今後の未来を切り開く上で、不可欠のものであると感じた。




7)安宅先生の最後の言葉
「未来は目指すものであり、創るもの。」

コンピュータシミュレーション上の「人工生命」の研究からのファインディングで以下のものある。
『同じ初期値・同じ条件でも同じ進化は二度と起きない』

これが意味するところは、未来を完全に予測できないということ。
未来は、予測することに意味があるのではなく、目指して創ることに意味がある。

#講義の最後に、受講生に感想を聞く安宅先生。未来を担う学生に対して、情熱を持って講義する姿勢が印象的だった。

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8)これからのアクション
まだまだ、自分の知識では足りない部分が多いので、AdvanceCourseのシラバスを見ながら、どういったことを学ぶべきかを考えつつ、Courseraなどを使いながら学びを深めていきたい。
また、どのように社会への展開するかを考え、学びをアウトプットが出る形にしていきたいと感じさせる講義であった。


以上になります。これからもデータドリブン社会を目指すために、学びを深めていきます。